VICの窓から

2025年2月

寒いからこそ

 氷点下6度、車に針状の霜の結晶が付いていた。
空気中の水蒸気が冷やされてできる霜の結晶は、窓霜と呼ばれていて、さまざまな形があるそうだ。寒い朝、カーテンを開けると透明なガラス窓に、シダの葉に似た氷の模様が広がっていたのを見て、模様の入った磨りガラスだったのかと驚いて、ガリガリと削った事を思い出した。
結晶が伸びてシダの葉のように見える事から霜羊歯(しもしだ)と呼ばれる模様は、宮沢賢治の作品の中にも氷の羊歯とあり「窓のガラスの氷の羊歯は、だんだん白い湯気にかはる」(春と修羅)と書かれている。気温が上昇すると消えてしまう自然現象なのだ。

気温や湿度・環境など、さまざまな条件が関係している自然の芸術。
なにもかも雪にうもれる中でも美しい自然の芸術に出会える。

-VICの窓から