VICの窓から

2025年1月

舟形町歴史民俗資料館

 管理棟内には、舟形町西ノ前遺跡出土の土器や国宝「縄文の女神」のレプリカなどが展示されている。平成4年(1992)発掘調査で、頭・胴・腰・左足・右足の5片に割れて出土し復元された。土偶は、縄文時代中期(約4500年前)の作とみられていて、均整のとれた容姿は、高さ45cmの日本最大のものであることが分かったという。その他にも国宝土偶のレプリカが展示されている。
「合掌土偶」「中空土偶」「仮面の女神」「縄文のビーナス」どれも芸術性の高い造形だ。呪術や儀礼などと関係があると考えられる土偶には様々な大きさがあって、それぞれの使い方、役割があるといわれる。子孫繁栄や自然の豊かな恵みを願い心の安定を求めようと、工夫を凝らした特徴的な姿に驚かされる。

 舟形町歴史民俗資料館周辺は猿羽根山公園として整備されていて、眼下に蛇行するように流れる最上川は歴史を語る。資料館は長沢地区の江戸時代末期に建てられた農家を解体移築して昭和56年(1981)完成。民具や町に伝わる民俗資料などが保存展示されている。

  長沢地区で生産される長沢和紙の起源は古く、鎌倉時代ともいわれる。農業の合間や冬期の副業として多くの農家で和紙生産(主に障子紙)が行われてきた。昭和61年(1986)3月舟形町無形文化財に指定された。
茅葺屋根を思い描く資料館は、昔の農家の作りや部屋の間取りそのままに復元されている。先人の知恵や生活、町の産業歴史などが理解できるように資料館づくりが進められている。

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